間接照明はどこに入れると、暮らしがラクになるのか

照明の打ち合わせで、
「間接照明、入れますか?」
と聞かれることがあります。

SNSや写真を見ると確かにきれいですし、
おしゃれに見えるのも事実です。

ただ、実際に住み始めてから
「これは正解だったな」と感じる人と、
「あれ、思っていたのと違ったな」と感じる人が分かれるのも、
間接照明の特徴だと感じています。

間接照明を入れるときに
よくあるのは、
見せ場をつくろうとしすぎてしまうことです。

天井を光らせる。
壁を強く照らす。
ラインをきれいに出す。

完成直後はとてもきれいに見えますが、
暮らしが始まってみると
「あまり使っていないな」と感じるケースも少なくありません。

これまで見てきた中で、
間接照明がうまく機能している家には、
いくつか共通点があります。

それは、
主役にしていないことです。

間接照明は、
「見せるため」というよりも
「空間を支えるため」に入っていることが多いように感じます。

たとえばリビングの場合。

テレビの裏。
ソファの背面。
視線の少し外れる位置。

ここに、
キャンドル色のやわらかい光があるだけで、
夜のリビングはぐっと落ち着いた雰囲気になります。

天井のダウンライトを消しても、
「暗くて困る」というより
「ちょうどいいな」と感じられる状態です。

これが、
間接照明がうまく効いている状態だと思います。

一方で、
天井全体を間接照明で囲うような計画になると、
どうしても明るさが均一になりやすくなります。

昼と夜の差が出にくくなり、
結果として
「夜もずっと昼の延長のように感じる」
という印象になることもあります。

それが好みの方もいらっしゃいますが、
落ち着きを求めている場合には、
少し強く感じることもあるかもしれません。

もうひとつ大切だと感じているのが、
毎日必ず通る場所です。

廊下。
階段。
洗面に向かう動線。

こうした場所に、
天井を照らさない間接照明があると、
夜の家の印象が大きく変わります。

明るさを確保するためというより、
「どこを歩けばいいかが分かる光」があることで、
夜の移動がかなりラクになります。

寝室も同じです。

天井照明をメインにすると、
どうしても光が強くなりがちです。

ベッドサイドの壁や、
カーテンボックスの奥などに、
直接目に入らない光があるだけで、
眠る前の時間の過ごし方が変わります。

「そろそろ照明を落とす時間だな」
そんな気持ちに自然と切り替わるような感覚です。

間接照明を考えるとき、
自分はよくこう考えています。

これは
「写真をきれいに見せるための光なのか」
それとも
「毎日の動きを助けるための光なのか」。

後者になっていれば、
大きく外すことは少ないように感じます。

まとめると、
間接照明を考えるときは、

・目立たせすぎない
・照らしすぎない
・毎日の動線に寄り添わせる

この3つを意識すると、
暮らしの中で自然に使われる照明になりやすいと思います。

おしゃれに見えるかどうかは、
結果としてあとからついてくるものです。

その前に考えたいのは、
夜、どこでどう過ごしているか。

そこが整理できていれば、
間接照明は無理なく、
暮らしの中に馴染んでいくように感じます。

この考え方は、
どこで家を建てる場合でも使えると思っています。

もし
「この間取りなら、どこに入れるのがよさそうか」
と整理したくなったら、
一緒に考えることはできます。

営業ではなく、
照明の話として。

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